会社員人生

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1. 帝王酸素の思い出

帝王酸素の思い出 帝王酸素という会社に転職したのは30代前半の頃だった。最初の勤務地は、本社分室、通称「アネックス」と呼ばれ、江東区のウォーターフロントにあった。同じフロアーの別部署に、林田という男がいた。彼は中途採用の同期で、年齢も近かっ...
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2. 自分の金ぐらい自分で稼げ、馬鹿者めが!

自分の金ぐらい自分で稼げ、馬鹿者めが! これまで自分にまったく自信が持てなかったのは、会社員として十分な金を稼ぎ、大切な家族を養うという経験ができなかったからだと思う。 30歳を境にメンタルの調子を崩したことがあり、その後の生活では苦労する...
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3. 作家脳

作家脳 前職のSMCを34歳で退職し、池下治人社長(当時)の紹介で帝王酸素に移った。 年2回の賞与はそれぞれ100万円から60万円へと下がり、初任地の本社別館(江東区)から、中古機器を販売する子会社(虎ノ門)へ出向となり、さらには筑波山麓の...
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4. いけすかん会社

いけすかん会社 34歳で帝王酸素に移り、産業ガスとくに当時黎明期れいめいきだったMRIの、電導コイルを冷却する液体ヘリウムを扱う仕事に就いた。 ある日、ヘリウム充填じゅうてん業者とともに総合病院のMRI室に入った。液体ヘリウムの補充を終えた...
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5. 編集後記

編集後記——沈黙の中に置き去りにしてきたものをようやく言葉に—— 帝王酸素を退職したのは2000年のことである。42歳だった。あれから四半世紀が過ぎた。当時だったら、会社はこういったに違いない。「メンタル不調の人間は認められない」「だから昇...
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OP. ヒヤリハットの現実

ヒヤリハットの現実 製鉄会社に勤めていた頃、ヒヤリハットの報告にはミスをした個人名をそのまま記載し、全社で共有する仕組みがあった。 最近あらためて調べてみると、Q&Aサイトなどでは「個人名を晒すべきかどうか」で意見が割れている。つまり、現在...
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付録1|技術史・液体ヘリウム不足とMRI冷却技術の変遷

液体ヘリウム不足とMRI冷却技術の変遷1. 液体ヘリウムの供給構造とMRIの普及 2024年4月、富士フイルムは、液体ヘリウムをまったく使用しない「ゼロヘリウム」MRIを発売した。液体ヘリウムは、MRIの超電導コイルを絶対零度近くまで冷却す...
journalisticな作品

付録2|会社と文学・歴史

1. 会社と文学 帝國酸素(旧社名)は、作家・大岡昇平の小説『酸素』(新潮社、1955年〈昭和30年〉)の舞台としても知られる。1938年(昭和13年)、同社は大岡をフランス語翻訳係として神戸本社に迎え入れた。後年、大岡はこの勤務経験をもと...