2025-09

「文芸思潮」エッセイ賞

前途晴朗なり|第19回「文芸思潮」エッセイ賞 (2024年)・佳作

前途晴朗なり 降下する機体の窓から雪の原野を眺めていた。いくつかの小さな黒い点が、舞い上がる雪煙の中で絶えず動いている。 あれはなんだろう。目を凝らすと、それは人間だった。彼らは除雪機を使って、雪深い森に、道を切り開いている。 羽田から、日...
「文芸思潮」エッセイ賞

絶望から希望へ|第18回「文芸思潮」エッセイ賞 (2023年)・奨励賞

絶望から希望へ 窓に目をやると、道路には車が一台とまっていた。金属のボティーが夏の朝日に輝いている。 ほどなく若い男女がやって来て、その赤のスポーツセダンは表通りへと向かって出ていった。四階の四人部屋のベッドで迎える初めての朝である。すると...