5. 編集後記

会社員人生
高圧ガス容器のイメージ画像(Wikipediaより)

編集後記——沈黙の中に置き去りにしてきたものをようやく言葉に——

 帝王酸素を退職したのは2000年のことである。42歳だった。あれから四半世紀が過ぎた。当時だったら、会社はこういったに違いない。
「メンタル不調の人間は認められない」
「だから昇進させない」
「だから給与も上げない」
「だから会社が悪いわけではない」
 こうした「常識」と称するものの前では、自分のような人間は、初めから敗者として扱われる。そのことを悟った瞬間から、僕は長い間、沈黙の側に身を置いてきた。
 だが、あの頃の出来事は、単なる体の不調や不遇ではなく、会社というひとつの社会構造が個人を押しつぶす構図だったではないだろうか。