工場その1・人生の交差点

short essay工場シリーズ
JR信越本線・安中駅前と東邦亜鉛
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【作品紹介】

むかしは精錬工場といえば必ず山の斜面を利用してつくられました。「精錬」とはその金属の純度を上げる作業とか工程を意味します。その際、地球の重力も利用しました。

また、「製錬」とは異なります。製錬は、製鉄会社の<高炉>や<電気炉>のように、熱を利用して特定の金属を取り出す(抽出する)作業とか工程を指します。製鉄では、その後、<転炉>に移しさらに純度を高めます。これも製錬工程のひとつです。

栃木県の足尾あしお銅山、島根県の石見いわみ銀山、愛媛県の別子べっし銅山など、特定の金属を採掘する山の現場にも斜面を利用して精錬工場がつくられていました。
最近では、技術開発も進み、臨海工場地帯など平地に精錬工場をつくるようになりました。

鉄鋼や重化学工業などの工場は、昔も今も変わらず、スレート(石膏ボードに似た波板)の古臭い建屋たてやだったりしますが、IT産業などでは新型のスマートな工場となり、近代的な事務所も同居していたりします。

小倉 一純